著作権について

このブログでは、著作権保護の対象となっていない画像のみを掲載しています(著作権保護の対象となっている可能性のある画像についてはリンクのみを表示)。著作権保護については細心の注意を払っておりますが、万一、お気づきの点がありましたらお知らせください。







2012年8月30日木曜日

生徒が主役の授業

最近、ユニークな学校の存在を知った。 ヴォーカル、ギター、キーボードなどの音楽を本格的に勉強しながら高校卒業の資格が取れるという ”大阪自由学院” という学校だ。そこのホームページによると、髪型とその色、服装など外見に関する校則は、一切ないという。”高校生とはいえ、ファッションも自己表現の一環、あなたらしさをアピールして下さい。” と、学校側は、おしゃれにおいても画一的であるよりも個性的な自己表現の追求を奨励し、”自由に外見を表現する権利” を与えている。始業時間が10時なので、朝の苦手な生徒や遠方からの通学者もゆったり通学できる。押しつけの一斉授業ではないので、好きな時に自分の興味のあるものがマンツーマンで学べるらしい。このような自由な学校は所謂受験競争に打ち勝つには、有利ではないかもしれないし、校則のあり方などで賛否が分かれるだろう。  

” 最近の若者はコンピューターなどと向き合う毎日で、コミュニケーションを苦手としている人が多いように見受けられます。人と接して人の意見を取り入れ、自分の考えと融和させながら、じっくりと答えを導き出していくすべを知らないのではないでしょうか.....” (学院のホームページより抜粋)この学校の理事長でミュージシャンの桑名正博さんのこのメッセージには、現代の若者が抱える問題の他に日本の一般的な学校教育の弱点を仄めかしていると思う。

多くの学校では、子ども達に制服を強制し、服装などの細かい規則で上から押さえつけ管理している。なぜそれが必要なのかとか、それに対する一人一人の意見を聞く耳も持たない。私たち多くの日本人の大人は、高校野球の開会式の入場行進のような足並み揃えて整然と行進する高校生の姿に高校生らしさを感じ好感を抱くが、違う文化で生まれ育った多くの人にとっては、非常に不気味な光景に映るそうである。  私は外国に留学した経験も居住した経験もないので間接的な情報によっての話になるが、欧米では、当たり前の教師と生徒が議論するという機会が日本の学校では極めて少ない。人と接して人の意見を取り入れ、自分の考えと融和させながら、じっくりと答えを導きだしていくすべを学ぶ機会が少なく、考え方の多様性を学べない。私たちの多くは、金八先生のように一方的に自分の価値観や考えを押し付ける授業で生徒を引っ張っていけるカリスマ先生を理想としている。それでは、主体的に考え行動する力は育みにくい。生徒一人一人が主役の授業に転換していくためには、少人数のクラス編成が必要不可欠になる。日本の大学の入学試験の難しさは世界的に知られているが、東大といえども世界の大学ランキングのベスト10にも入れないのは、一見、飛躍しているようだが、このことと全く無関係ではないかもしれない。


追)桑名正博さんは、先月15日、脳幹出血で倒れられ、現在も重篤な状態が続いているそうですが、奇跡的な早いご回復と、再び素晴らしい音楽を聞かせて頂けることを祈っています。








0 件のコメント:

コメントを投稿